市場が慎重姿勢を強めるなか、ビットコインは$80Kの壁を試す
米国株の最高値更新とFed利下げ確率の回復(約18%から約45%へ)がリスク選好を押し上げ、ビットコインはマクロ主導で$78,421近辺まで反発した。ただ、BTCドミナンスが58.2%へ上昇し、アルトコインが遅れるなか、市場のトーンは慎重になっている。
マクロ要因:米株の最高値更新と利下げ観測が暗号資産心理を押し上げる
4月下旬の激しい振れを経て、ビットコインは5月4日にマクロ主導の回復を見せた。歴史的に、リスク選好が切り替わる局面ではビットコインとS&P 500の30日相関は0.65から0.75の間まで上昇するため、米国株の強さは暗号資産市場の前向きなセンチメントへそのまま波及した。
イラン停戦の見通しを受けて原油は急落し、市場が見込む年内のFed利下げ確率は約18%から約45%へ戻った。利下げ期待の上昇は、金やビットコインのような利回りを生まない資産にとって、これまでも重要な評価支援材料だった。今回の反発には「ビットコインが主導し、アルトコインはまちまち」という明確な特徴があった。BTCのドミナンスは約56%から58.2%へ上昇し、Ethereumの24時間上昇率は約1.8%と、ビットコインの3%を下回った。
| 資産 | 価格 | 24時間変化 | 7日変化 | 4月来 |
|---|---|---|---|---|
| ビットコイン BTC | $78,421 | +3.0% | +5.2% | +12.7% |
| Ethereum ETH | $2,247 | +1.8% | -1.2% | +6.4% |
| Solana SOL | $148 | +1.2% | -3.5% | -2.1% |
| 暗号資産時価総額 | $2.64T | +2.4% | +3.8% | +9.1% |
| BTCドミナンス | 58.2% | +0.4ポイント | +1.8ポイント | — |
| 恐怖・強欲指数 | 26/100 | 横ばい | 31から低下 | 恐怖圏 |
オンチェーン:機関投資家は蓄積を継続、ETF資金フローはプラスを維持
オンチェーンデータは建設的な状況を示している。1,000 BTC超を保有する「クジラ」アドレスは過去2週間で純計約23,000 BTCを積み増しており、機関投資家が押し目を買っているとの見方を補強している。現物ビットコインETFには今週、約$3.2億の純流入があった。前週の$5.1億は下回ったものの、なおプラスであり、機関投資家の配分意欲が変わっていないことを示す。
恐怖・強欲指数は26で「恐怖」圏にあり、個人投資家の参加は低調なままだ。Coinbaseの個人向け取引量は依然として12か月ぶりの低水準近くにあり、Googleでの「Bitcoin」検索も比較的静かである。一方、機関投資家のデータはまったく別の物語を示す。現物ETFへの安定した資金流入、CMEの高い建玉、クジラによる純蓄積である。歴史的に、この「個人は冷え、機関は活発」という乖離は、吹き上がりの天井よりも持続的な上昇に先行しやすかった。
テクニカル面:$80Kが重要な壁、突破が方向性を決める
ビットコインは過去2か月で$80,000に4回挑んだが、その上で維持できず、強力なテクニカル抵抗帯を形成している。アナリストは、有効な突破を「価格が$80,000を48時間超維持し、出来高が過去20日平均を少なくとも30%上回ること」と定義している。これらの条件を満たせば、テクニカル目標は$85,000-$88,000のレンジへ移る。再び失敗すれば、より強いダブルトップが形成され、下値リスクは$70,000-$72,000付近へ広がる。
市場見通し
ビットコインの次の動きは、三つの外部要因が同時にそろうかにかかっている。第一に、今週$80,000を突破して維持できるか。第二に、原油下落を受けて米国5月CPIが予想を大きく下回り、Fed利下げ観測を強めるか。第三に、現物ビットコインETFが週次で$3億-$5億超の純流入を維持し、機関投資家が追加配分を続けている証拠となるかである。
リスク面で最も注視すべきなのは、イラン停戦協議が決裂し、原油が再び$120を上回ることだ。その場合、インフレ懸念が戻り、ビットコインを含むリスク資産は意味のある反落に直面する。三つの条件が同時に満たされれば、ビットコインが6月に$85,000-$90,000のゾーンへ挑戦する確率は大きく高まる。
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